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原状回復トラブルの要因例(3)

原状回復の際に発生しやすいトラブルの要因としては
[1]契約と物件確認の問題
[2]個別具体的な基準整備の問題
[3]工事に関する問題
に関するものが主にあげられます。これらの問題が起きないように事前にその要因を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことは賃貸経営をする上でも重要なことです。
今回はこのうち、[3]の工事に関する問題についてです。

1.補修工事費が不確定な場合です。
実際の工事費用については契約等の段階では確定できないため、具体的な箇所をあげて原状回復にかかる費用負担割合を決定した場合でも、退去時になって積算した費用が予想外に高額となったり、敷金では不足する場合に金銭的なトラブルが起きる要因となります。

2.原状回復工事とグレードアップ工事の区分が不明確な場合です。
貸主としては次の入居者を確保するために、ある程度の補修工事と内装・設備等のグレードアップの工事を行いたいところですが、この際において発注を一括して行うことがあって、これらをすべて原状回復工事であると認識し、借主に請求しているケースの場合などにそれが要因となります。

3.原状回復工事費のすべてを従前の借主から徴収する場合です。
通常の使用による損耗は建物の償却なのですが、貸主側にはそれが家賃に含まれているという認識がない場合です。また補修工事費用を次の入居予定者から徴収することとした場合には契約成立への悪影響となりかねないため、すべての補修費用を従前の借主に請求するケースがありそれが要因となります。

4.損耗箇所と工事箇所とにギャップがある場合です。
クロス等の張り替えはたとえ一部分の損耗であっても、部屋単位や住戸単位で行わないとムラが発生してしまうために、僅かな損耗部分に対して補修部分と工事費は増大してしまいますが、この場合にその費用負担部分を巡ってのトラブルとなります。

このようなトラブルは一度起きてしまうと解決までに時間がかかったり、場合によっては泣き寝入りとなってしまったりしますので、普段から未然に防ぐよう心がけて賃貸経営をしていくことが望ましいでしょう。