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定期借地権の契約手続に際しての必要書類

定期借地権の契約手続きをする際には、主に以下の書類が必要となります。
□契約書
□管理関係書類(管理規約、管理委託契約)
□入居のしおり
□アフターサービス基準
□重要事項説明書
□融資手続方法(住宅金融公庫、住宅ローン)
□手付金等保全手続
□設計図書:設計図(配置図、平面図、立面図、構造図等)、仕様書(仕上げ書、標準および特記仕様書)
□建物の区分所有等に関する法律事項など
※実際に契約を結ぶ際には多少異なる場合がありますが、あらかじめリスト等を作成して紛失しないようにしておくと良いでしょう。

定期借地権のメリット・デメリット

定期借地権のメリットとデメリットです。
1.定期借地権のメリット
(1)土地が必ず返却されます。
普通借地権と違い定期借地権は更新がないため期間満了後に必ず返ってきます。
(2)賃貸経営のリスクが小さいです。
地主は経営の部分にはとくに携わりません。
(3)安定した収入が確保できます。
定期借地権の設定により通常、土地評価の2~3割の権利金または保証金による一時金が得られます。また毎月地代が入ってきます。
(4)遊休地などの土地の有効活用ができます。
(5)保有コストが安くなります。
「固定資産税」「都市計画税」「地価税」などを軽減できます。
(6)相続税対策ができます。
定期借地権を設定して、区分けをしておくことで、「遺産分割」や「物納」に便利となります。毎月の地代収入は「延納の原資」に回すことができます。定期借地権の設定時に受け取る一時金を相続税の支払いに充てることができます。

2.定期借地権のデメリット
(1)処分が困難です。
定期借地権を設定していると、売却が難しくなります。
(2)契約終了時には更地にして返還することになります。
建物解体と土地の更地の明け渡しをどのように行うか問題になります。解体費用がそのときに必要となります。
(3)契約解除時の保証金の取り扱いがでてきます。
建物の撤去費用と引き合うかどうかなどの問題も出てきます。
(4)マンションの場合、区分所有者の債務履行への対応がでてきます。
債務履行の実行方法が問題となる場合があります。
(5)トラブルに巻き込まれることがあります。
当事者双方に相続が発生したとき、当初の取引当事者は誰もいなくなることになり、地代の値上げや返還時のトラブルに巻き込まれることがあります。

定期借地権の保証金と権利金の違いについて

1.保証金
保証金は地主への預託金のことです。
敷金のように預り金的な性質を持っており、課税対象にならないお金です。ただし使途についてはかなりの制限を受けます。
・保証金の性格として大事なことは、地代の不払いに対する担保と建物収去費用の担保となります。
・保証金の授受のとき、不動産所得による総合課税とはなりません。
・保証金の運用益には課税されます。

2.権利金
・権利金は、借地権・地上権設定の対価として支払い、返還はされません。
・権利金の授受のときは、不動産所得による総合課税となります。
・権利金の運用益には課税されます。

以上のように、権利金は返却の必要はないが課税対象になり、保証金は課税されないが将来返却の必要があるものです。

マンションの管理委託契約書作成方法について

管理委託契約書は、「中高層共同住宅標準管理委託契約書」に基づいて作成すると良いです。
中高層共同住宅標準管理委託契約書は建設省(現国土交通省)により定められた、標準的な分譲マンションに関する管理委託契約書のひな型です。昭和57年に初めて作成され、平成9年に大幅に改訂されました。 法的な強制力はありませんが、実際に広く利用されています。
マンション管理法第73条では、マンション管理業者が管理委託契約を締結するにあたって、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならないと定めています。
中高層共同住宅標準管理委託契約書では事務管理業務に限って再委託を認めていません。
事務管理業務は委託者を代行し、委託者に対してコンサルティングする業務が中心となりますが、これは「管理員業務」「清掃業務」「設備管理業務」に対して統括する責任を負うことになるためです。

国土交通省のサイトにも詳細と書式が出ていますので参考にされてください。
マンションの管理委託契約に係る標準管理委託契約書について
マンション標準管理委託契約書[書式]

法人契約に際しての注意点

一般に法人契約は安全であるといわれていますが、法的な問題が発生すると複雑になってしまうため、以下に注意点を挙げておきます。

(1)法人契約を結ぶ場合はなるべく上場企業もしくはそれに準じる企業に特定します。
これは個人企業が法人化したような場合は倒産してしまうと複雑な法律関係に巻き込まれてしまう恐れがあるからです。また上場した大企業になるほど入居者のコントロールも期待できますし、賃料不払いもないと思います。

(2)入居者は契約上必ず特定しておきます。
これはもし入居者を特定しておかなければ、不特定の人が入れ替わる可能性があり、立ち退き訴訟などが発生した場合には、被告の特定が難しくなるためです。
入居者を特定するためには、例えば「賃借人は本件建物には下記に記載した入居者とその家族以外の者を居住させてはならない」といった内容の特約を結んでおくと良いでしょう。

(3)入居者が退職した場合の対処法を明確にします。
入居者が何らかの理由により契約している法人を退職することはよくあることです。その場合に下記のような条項を記載して通知義務を課しておくとよいでしょう。
「1.賃借人は入居者が賃借人の会社を退職した場合には、直ちに賃貸人に通知しなければならない」
「2.賃貸人は1の事由が発生したときは、本契約を解除できるものとし、賃借人の責任と費用により入居者を退去させ、本件建物を賃貸人に明け渡さなければならない」
※2.の条項は実際には解除の効力がなく認められないときもあります。

(4)入居者を必ず連帯保証人にします。
これは法人契約の場合、入居者は借り主ではないため契約上の債務はないからです。連帯保証人とすることで家賃滞納などの際に入居者の財産を差押えすることができます。
なお入居者が契約する法人の代表の場合には、必ず別の連帯保証人(運命共同体とはならないできるだけその法人とは無関係の間柄にある人)をつけるようにします。

他にも契約の書き替えに際して仲介手数料の取得をしたければ、定期借家契約にするなどありますが、以上が主な注意点です。

テナントが行方不明で連絡もつきません・・・

■問題
テナントがある日蒸発をしてしまいました。賃貸借契約を解除したいのですが、解除通知を出すにも相手がどこにいるのかわかりません。何か法的に良い方法はありますか?

■回答
この場合、鍵を付け替えて、中にあるものを運び出したり処分してしまうと、不法行為となります。賃貸人が器物棄損罪、住居侵入罪、窃盗罪等で告訴されかねませんので注意が必要です。
法律的に対処できる方法としては、訴えを提起して、訴状を「公示送達」してもらい、欠席裁判をもらって、強制執行するという方法があります。
訴状には賃貸借契約を解除する旨の意思表示を記載しておきます。
また以下の点を一緒に行っておきます。
・残置動産を競売できるように明け渡しを求めておきます。
(明け渡しの判決では残置動産の処分はできませんので賃貸人の方でどこかに保管することになります)
・未払い賃料の支払いも求めておきます。
・未払い賃料の精算のためには、判決に基づいて執行官に残置動産の競売をやってもらいます。
・敷金は返還請求を受けるまで預かっておきます。(未払い賃料と相殺する必要はありません)
なお「公示送達」は被告(テナントの賃借人)が本当に行方不明となっていることを原告側(賃貸人)が十分に調査しなければ裁判所に認められません。また判決が出るまでに時間がかかることや裁判費用がかかることなど、簡単には行うことは難しいようです。

空き室対策として外国人入居者の検討を

最近の住宅事情は「借り手市場」といわれています。物件数が増え入居希望者が自分のライフスタイル等で自由に部屋を選べるほど部屋の数があります。
当然ながらその反面として空室が埋まらない物件も増えてきます。
そこで今後「外国人入居希望者」の受け入れを検討されている家主さんも増えているため、注意すべき点も含めていくつか挙げてみます。
なお以前こちらのブログでも書かかれている内容(http://www.landlord.jp/blog/archives/61.html)も参考にしてみてください。

まず、法務省の入国管理局(http://www.immi-moj.go.jp/)による各年ごとの出入国管理データをみてみましょう。
出入国管理の統計を取り始めた昭和25年には、外国人入居者数は約1万8000人でした。年々増加の一途を辿り、平成12年には500万人を突破し、平成14年には新規入国者数でも464万6240人となり過去最高となりました。これは平成10年の88万9032人と比べて26.6%の増加です。
また平成17年末現在における外国人登録者統計は201万人となっています(http://www.moj.go.jp/PRESS/060530-1/060530-1.html)。
このように外国人の入居者も年々確実増えてきているのです。

さて、国籍も人種も様ざまな外国人申込者を受け入れるためには契約書内容を明確に定めておくことです。
定住しているか留学生などの一時的な滞在かなどの状況も異なるため、よく確認するのがよいでしょう。
最近は就労、留学のために多くの外国人が来日しています。ただそのため生活習慣や言葉の違いから行き違いになる場合もあります。
敷金とくに礼金などの日本の賃貸契約の常識が通じなかったりします(ゼロゼロシステムを導入しておくのも良いかもしれません)。
ゴミ出しや共用部分の使用ルールは、きちんと説明しておくことです。
場合によっては騒音などのトラブルもあるかもしれませんのでその旨もよく注意しておくことです。
契約を結ぶ段階で細かい使用方法や規定を明確にしておくことが大切となります。
ここで日本人にありがちな「暗黙の了解」は外国人には通用しないと思ってください。とくに欧米などの場合は契約書の内容がすべてとなりますから、記載されていない事項については配慮されないと思っても過言ではありません。
そしてパスポート、外国人登録証、ビザ等で身元確認をしっかりと行い、できれば日本人の保証人をつけてもらう、就労証明書を提示してもらうなどのことは必要だといえます。
あと可能であれば共用スペースにコミュニケーションのとれる場を提供すると良いと思います。

兄弟が借りている賃貸マンションを引き継いで入居は?

「現在兄弟が住んでいるマンションがあります。転勤が決まり引っ越すこととなったのですが、この機会に私が入居したいと考えています。家主には許可を取らなくとも大丈夫なのでしょうか?」

マンションを引き継いで使用する場合は家主の許可が必要となります。
たとえ肉親間であっても家主に無断で部屋を引き継いだ場合、契約の解除を申し入れられる可能性があります。事前に家主の承諾を得ておきましょう。
これは無断譲渡があった場合に家賃が確実に支払われるか?という点が家主にとって明確ではなくなるからです。そのため契約解除できるのが原則となっているのです。
継続して契約できる賃貸借契約では当事者間の人間的信頼関係が前提となります。信頼関係が破壊されないのであれば契約解除はできないこととなります。
ここで肉親である「兄弟姉妹」から譲り受ける場合は家賃も継続して支払う意思が明らかですので家主との信頼関係は破壊しないと判断できるでしょう。ただし契約書の書き替え等が必要となる場合もありますので、必ず家主と相談し承諾を得ておくことです。

現在入居中のマンションが競売にかけられているのですが・・・

「現在入居中のマンションが競売にかけられているようです。所有者が代わってしまったときはこのまま入居していられるのか不安です。また退去時には敷金の返還を受けることはできるのでしょうか?」

この場合、部屋の引き渡しを受けていれば明け渡す必要はありません。ですから今のマンションに住み続けられます。
敷金は新所有者となる方に全額引き継がれますので、契約が終了すればその時点での所有者から返還を受けることになります。

上記のようにマンションの引き渡しを受けて現に住んでいるという場合は、たとい競売によって所有者が代わったとしても、今までどおり賃貸借契約書に基づいた権利を新たな所有者に対して主張できます。また入居する前であっても、すでに「鍵」を受け取っているのであれば、引き渡しを受けていると見なされ同様に主張できます。

マンションの居室を目的以外で利用している人がいる

使用目的違反による契約の解除はできるのでしょうか?
民法594条 第1項「借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。」と定められています。

■賃貸マンションの場合
貸主と借主の間で結ばれている賃貸借契約に「使用を住居用に限定する」という記載があれば、借主は住居使用以外の目的で居室を使用することはできません。この場合、契約違反となり貸主から契約解除されたり、損害賠償を請求されたりすることもありえます。
■分譲マンションの場合(区分所有者)
共用部分については、共用の持分権をもっているため用法にしたがって使用することができますが、自分勝手に使用することはできません。
専有部分(自分が所有する)については自由に使用、収益または処分することができますが、規約で「住居以外に使用してはならない」と規定がある場合には住居以外に使用すると規約違反となります。

契約上や規定でこのような記載がない場合は契約違反とはなりません。
ただし、実際にあった事案の中には「使用目的の変更」だけでは解除が認められないこともあります。

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