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法人契約に際しての注意点

一般に法人契約は安全であるといわれていますが、法的な問題が発生すると複雑になってしまうため、以下に注意点を挙げておきます。

(1)法人契約を結ぶ場合はなるべく上場企業もしくはそれに準じる企業に特定します。
これは個人企業が法人化したような場合は倒産してしまうと複雑な法律関係に巻き込まれてしまう恐れがあるからです。また上場した大企業になるほど入居者のコントロールも期待できますし、賃料不払いもないと思います。

(2)入居者は契約上必ず特定しておきます。
これはもし入居者を特定しておかなければ、不特定の人が入れ替わる可能性があり、立ち退き訴訟などが発生した場合には、被告の特定が難しくなるためです。
入居者を特定するためには、例えば「賃借人は本件建物には下記に記載した入居者とその家族以外の者を居住させてはならない」といった内容の特約を結んでおくと良いでしょう。

(3)入居者が退職した場合の対処法を明確にします。
入居者が何らかの理由により契約している法人を退職することはよくあることです。その場合に下記のような条項を記載して通知義務を課しておくとよいでしょう。
「1.賃借人は入居者が賃借人の会社を退職した場合には、直ちに賃貸人に通知しなければならない」
「2.賃貸人は1の事由が発生したときは、本契約を解除できるものとし、賃借人の責任と費用により入居者を退去させ、本件建物を賃貸人に明け渡さなければならない」
※2.の条項は実際には解除の効力がなく認められないときもあります。

(4)入居者を必ず連帯保証人にします。
これは法人契約の場合、入居者は借り主ではないため契約上の債務はないからです。連帯保証人とすることで家賃滞納などの際に入居者の財産を差押えすることができます。
なお入居者が契約する法人の代表の場合には、必ず別の連帯保証人(運命共同体とはならないできるだけその法人とは無関係の間柄にある人)をつけるようにします。

他にも契約の書き替えに際して仲介手数料の取得をしたければ、定期借家契約にするなどありますが、以上が主な注意点です。

テナントが行方不明で連絡もつきません・・・

■問題
テナントがある日蒸発をしてしまいました。賃貸借契約を解除したいのですが、解除通知を出すにも相手がどこにいるのかわかりません。何か法的に良い方法はありますか?

■回答
この場合、鍵を付け替えて、中にあるものを運び出したり処分してしまうと、不法行為となります。賃貸人が器物棄損罪、住居侵入罪、窃盗罪等で告訴されかねませんので注意が必要です。
法律的に対処できる方法としては、訴えを提起して、訴状を「公示送達」してもらい、欠席裁判をもらって、強制執行するという方法があります。
訴状には賃貸借契約を解除する旨の意思表示を記載しておきます。
また以下の点を一緒に行っておきます。
・残置動産を競売できるように明け渡しを求めておきます。
(明け渡しの判決では残置動産の処分はできませんので賃貸人の方でどこかに保管することになります)
・未払い賃料の支払いも求めておきます。
・未払い賃料の精算のためには、判決に基づいて執行官に残置動産の競売をやってもらいます。
・敷金は返還請求を受けるまで預かっておきます。(未払い賃料と相殺する必要はありません)
なお「公示送達」は被告(テナントの賃借人)が本当に行方不明となっていることを原告側(賃貸人)が十分に調査しなければ裁判所に認められません。また判決が出るまでに時間がかかることや裁判費用がかかることなど、簡単には行うことは難しいようです。

原状回復トラブルの要因例(3)

原状回復の際に発生しやすいトラブルの要因としては
[1]契約と物件確認の問題
[2]個別具体的な基準整備の問題
[3]工事に関する問題
に関するものが主にあげられます。これらの問題が起きないように事前にその要因を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことは賃貸経営をする上でも重要なことです。
今回はこのうち、[3]の工事に関する問題についてです。

1.補修工事費が不確定な場合です。
実際の工事費用については契約等の段階では確定できないため、具体的な箇所をあげて原状回復にかかる費用負担割合を決定した場合でも、退去時になって積算した費用が予想外に高額となったり、敷金では不足する場合に金銭的なトラブルが起きる要因となります。

2.原状回復工事とグレードアップ工事の区分が不明確な場合です。
貸主としては次の入居者を確保するために、ある程度の補修工事と内装・設備等のグレードアップの工事を行いたいところですが、この際において発注を一括して行うことがあって、これらをすべて原状回復工事であると認識し、借主に請求しているケースの場合などにそれが要因となります。

3.原状回復工事費のすべてを従前の借主から徴収する場合です。
通常の使用による損耗は建物の償却なのですが、貸主側にはそれが家賃に含まれているという認識がない場合です。また補修工事費用を次の入居予定者から徴収することとした場合には契約成立への悪影響となりかねないため、すべての補修費用を従前の借主に請求するケースがありそれが要因となります。

4.損耗箇所と工事箇所とにギャップがある場合です。
クロス等の張り替えはたとえ一部分の損耗であっても、部屋単位や住戸単位で行わないとムラが発生してしまうために、僅かな損耗部分に対して補修部分と工事費は増大してしまいますが、この場合にその費用負担部分を巡ってのトラブルとなります。

このようなトラブルは一度起きてしまうと解決までに時間がかかったり、場合によっては泣き寝入りとなってしまったりしますので、普段から未然に防ぐよう心がけて賃貸経営をしていくことが望ましいでしょう。

原状回復トラブルの要因例(2)

原状回復の際に発生しやすいトラブルの要因としては
[1]契約と物件確認の問題
[2]個別具体的な基準整備の問題
[3]工事に関する問題
に関するものが主にあげられます。これらの問題が起きないように事前にその要因を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことは賃貸経営をする上でも重要なことです。
今回はこのうち、[2]の個別具体的な基準整備の問題についてです。

まず、契約条項が未整備の場合です
原状回復の際において、借主が行う範囲や費用負担等について具体的に定められた基準等がないため、契約書内の条項は「借主は原状回復する」といった内容の表現になっています。このため、退去時において、具体的な補修箇所や負担割合を巡ってトラブルが起きる要因となっています。
つぎに「通常の生活」の定義が内容的に困難な場合です
判例等には、「社会通念上通常の使用方法により使用して損耗した分の原状回復の費用は、原則として貸主負担とされる」とあります。ところが生活スタイルの変化など、賃貸住宅に限らず住まい方は多様化しており、「通常の生活」は、人によって様ざまです。このため、借主にとっては「通常の生活」の範囲であるとの認識が、貸主からみるとその範囲を超えているというように、見解や考え方の相違によりトラブルの要因となります。

このようなトラブルは一度起きてしまうと解決までに時間がかかったり、場合によっては泣き寝入りとなってしまったりしますので、普段から未然に防ぐよう心がけて賃貸経営をしていくことが望ましいでしょう。

原状回復トラブルの要因例(1)

原状回復の際に発生しやすいトラブルの要因としては
[1]契約と物件確認の問題
[2]個別具体的な基準整備の問題
[3]工事に関する問題
に関するものが主にあげられます。これらの問題が起きないように事前にその要因を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことは賃貸経営をする上でも重要なことです。
今回はこのうち、[1]の契約と物件の問題についてです。

まず、借主に一方的に不利な契約書となっている場合があげられます。
「賃貸借契約書」にある契約事項は、一般的に貸主か媒介業者が準備したものを使用しますが、この際において例えば「入居期間中に生じた通常の使用に伴う損耗を含むすべての損耗について、借主が補修義務を負う」といったような不当な内容を契約書の条項で定めている場合があります。
また借主は希望する物件が見つかるとその物件への入居のことだけに関心がいってしまうことが多いため、契約の際に「契約書」と「重要事項説明書」の内容を十分に把握しないまま署名・捺印してしまうことがあります。
こうしたケースは後々のトラブルの要因となります。

つぎに、入居時や退去時の物件確認が不十分な場合です。
建物の設備等で、貸主・借主が十分な点検や確認を実施しないまま物件の引き渡し、入居をしたために、個々の損耗について、当初から損耗していたのか、入居期間中に生じたものなのかを巡って双方の見解の相違などによるトラブルが発生したりします。
また退去時に補修箇所や費用負担について、双方の立ち会いや十分な確認を実施していなかったために後でトラブルとなることがあります。
こうしたケースもまた後々のトラブルを引き起こす要因となります。

このようなトラブルは一度起きてしまうと解決までに時間がかかったり、場合によっては泣き寝入りとなってしまったりしますので、普段から未然に防ぐよう心がけて賃貸経営をしていくことが望ましいでしょう。

遺言と相続のはなし(13)

成年後見制度って・・・?(その2)
成年後見制度を活用すれば将来自分の判断能力が弱った際に、詐欺行為などによって契約書にサインを押してしまったとしても「任意後見制度」の登記手続きをしていれば、その契約はなかったものにすることができます。
財産を奪われてしまう心配はなくなります。

またすでに認知症の家族をお持ちの方は「法定後見制度」の申請をすることができます。
もし認知症の家族が契約書にサインをしてしまったとしても契約自体がなかったものとなり、財産を守ることができます。

その他独り暮らしの方や高齢者世帯の方など介護サービスを受ける際の手続きや申請がご本人で行うことが困難である場合、成年後見制度で決めた方に一任することができます。
さらに後見人となった人がその立場を悪用しないよう後見人を監督する「成年後見監督人」を選任することができます。
※任意後見のときは成年後見監督人を必ず選任します。

遺言と相続のはなし(12)

成年後見制度って・・・?
成年後見制度にはあらかじめ本人が将来に備えて後見人を決める「任意後見」と認知症等により通常より判断能力が低下した後に後見人を選任する「法定後見」があります。
さらに法定後見には判断能力により細分化されています。

成年後見制度———›任意後見制度 —›元気なうちに自ら後見人を選んでおく
          ¦
           —›法定後見人制度—›補助—判断能力不十分
                       —›保佐—判断能力著しく不十分
                       —›後見—判断能力欠く状態

こんな場合にこの制度を活用しましょう
・今は元気だが今後認知症などが心配
・詐欺や悪徳商法から財産を守りたい
・子や親戚、他人に自分の預貯金等に手をつけられたくない
・知的障害を持つ子供の将来が心配
・認知症の親が心配

空き室対策として外国人入居者の検討を

最近の住宅事情は「借り手市場」といわれています。物件数が増え入居希望者が自分のライフスタイル等で自由に部屋を選べるほど部屋の数があります。
当然ながらその反面として空室が埋まらない物件も増えてきます。
そこで今後「外国人入居希望者」の受け入れを検討されている家主さんも増えているため、注意すべき点も含めていくつか挙げてみます。
なお以前こちらのブログでも書かかれている内容(http://www.landlord.jp/blog/archives/61.html)も参考にしてみてください。

まず、法務省の入国管理局(http://www.immi-moj.go.jp/)による各年ごとの出入国管理データをみてみましょう。
出入国管理の統計を取り始めた昭和25年には、外国人入居者数は約1万8000人でした。年々増加の一途を辿り、平成12年には500万人を突破し、平成14年には新規入国者数でも464万6240人となり過去最高となりました。これは平成10年の88万9032人と比べて26.6%の増加です。
また平成17年末現在における外国人登録者統計は201万人となっています(http://www.moj.go.jp/PRESS/060530-1/060530-1.html)。
このように外国人の入居者も年々確実増えてきているのです。

さて、国籍も人種も様ざまな外国人申込者を受け入れるためには契約書内容を明確に定めておくことです。
定住しているか留学生などの一時的な滞在かなどの状況も異なるため、よく確認するのがよいでしょう。
最近は就労、留学のために多くの外国人が来日しています。ただそのため生活習慣や言葉の違いから行き違いになる場合もあります。
敷金とくに礼金などの日本の賃貸契約の常識が通じなかったりします(ゼロゼロシステムを導入しておくのも良いかもしれません)。
ゴミ出しや共用部分の使用ルールは、きちんと説明しておくことです。
場合によっては騒音などのトラブルもあるかもしれませんのでその旨もよく注意しておくことです。
契約を結ぶ段階で細かい使用方法や規定を明確にしておくことが大切となります。
ここで日本人にありがちな「暗黙の了解」は外国人には通用しないと思ってください。とくに欧米などの場合は契約書の内容がすべてとなりますから、記載されていない事項については配慮されないと思っても過言ではありません。
そしてパスポート、外国人登録証、ビザ等で身元確認をしっかりと行い、できれば日本人の保証人をつけてもらう、就労証明書を提示してもらうなどのことは必要だといえます。
あと可能であれば共用スペースにコミュニケーションのとれる場を提供すると良いと思います。

相続と遺言のはなし(11)

相続税から差し引かれる各種控除について
◆配偶者控除
相続したものが1億6000万円以内なら、配偶者の相続税は0円です。
相続したものが1億6000万円を超える場合、法定相続分(法律で定められた相続分:1/2)までであれば、配偶者の相続税は0円です。
◆障害者控除
満70歳に達するまでの年数に6万円を掛けた金額(端数は切り上げ)が控除額です。
相続税額を超えた場合には超過分を扶養義務者の税額から控除できます。
◆未成年者控除
満20歳に達するまでの年数に6万円を掛けた金額(端数は切り上げ)が控除額です。
相続税額を超えた場合には超過分を扶養義務者の税額から控除できます。
◆相次相続控除
10年以内に二回以上の相続が続いたときは前回の相続にかかった相続税の一定割合を、今回の相続税額から控除できます。(短期間に相続が続くと相続人に加重負担がかかるためです)
◆贈与税額控除
相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象として加算されますが、既に贈与税を払っている場合には、相続税から控除できます。
◆外国税額控除
相続財産が国外にあって、国外で相続に課税がかかった場合には、国内では一定の税額を相続税額から控除できます。(国際的二重課税防止のためです)

以上6種類の税額控除があります。税額控除が適用されればその分相続税が少なくなります。当てはまるものはすべて適用を受けるのがよいでしょう。なお配偶者控除で相続税が0円となった場合、故人の死亡日の翌日より10か月以内に所轄税務署に申告しなければなりません。詳細についてはお近くの税理士や行政書士等の専門家に相談されると良いと思います。

防犯に関することあれこれ(2)

ここ数年で増えた犯罪といえば「振り込め詐欺」です。
様ざまな手口がありますが賃貸住宅関連ではこんな手口もあります。
賃貸物件の入居者宛に「家賃振込口座の変更」という通知を送り本来とは違う口座に入金させてしまうという手口です。
・管理会社が変更になった
・大家が変更になった
・建物の維持費や管理費、修繕費
・更新の手数料、意味のわからない手続き費用など
上記のような通知が届いたらまずは現在の管理会社や家主に直接連絡を取ってみるのが良いでしょう。心配な方は登記簿謄本を取ってみて登記簿上の所有者に詳細を確認してみると良いです。

総務省のホームページ内に振り込め詐欺対策のページがあります。下記リンクをクリックして一度ご覧ください。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/d_syohi/furikomesagi.html