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相続と遺言のはなし(3)

遺産と聞くと多額の相続税を想像される方がいますが実際に支払う必要がある方は全体の5%弱と僅かです。
相続税には「基礎控除」があるので〔5000万円+法廷相続人1人につき1000万円〕までは申告も不要で相続税もかかりません。(例:遺産5000万円+法定相続人が5人いれば基礎控除額は1億円となります)
なお遺産分けの方法によっては基礎控除を差し引いて課税遺産総額があるようにみえても相続税が発生しないこともあります。
  ・ 遺産の課税価格の正確な計算により基礎控除枠に収まってしまう。
  ・ 配偶者の税額軽減(財産の1/2もしくは1億6千万円以内)により相続税が発生しなくなった。
  ・ 非課税財産を差し引いて計算していないか、計上漏れなどがあった。
  ・ 遺産分割のやり方を変えたことで、相続税がかからなくなった。
上記のようなケースで相続税がかからなくなる場合もあります。
また、基礎控除の他にも故人の生命保険や死亡退職金にも、法定相続人1人につき500万円の控除や障害者控除、未成年者控除等があります。
まずは相続を専門に取り扱う税理士か、全国賃貸住宅経営協会が運営している「らんどろーどの無料相談コーナー(http://www.landlord.jp/zenjyu/consultation.php)」に相談してみるのが良いでしょう。

相続と遺言のはなし(2)

欲しい財産といらない財産

故人が残したすべての財産を相続人に分けることを「遺産分割」といいます。
方法はいくつかありますが、遺言書があればそれに指定してある様に、ない場合には相続人全員の同意による協議をして、同意が得られないときには家庭裁判所による調停や裁判となります。
なるべく長期間の協議は避けるべきだと思います。世代が代わってしまうとその分の相続税も加算されてしまいます。またいわゆる借金などの「負の遺産」が多い場合には相続の開始を知った日から3か月以内に「相続放棄証明書」の交付手続き*1をすれば「相続権の放棄」ができます。

*1:民法915条 第1項に「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」とあります。

相続と遺言のはなし(1)

「遺産をめぐる親族同士の争い!」なんてドラマの中の話だけではないのです。
最近は権利意識の高まりの中で遺産をめぐる権利争いは、年々増加しているのが実状です。このような争いを防止する手段として、最近は「遺言書」の重要性が広まりつつあります。
▽民法963条「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」
 遺言をしていても高齢や病気などで判断能力が衰えているような場合は、後で相続人から遺言能力はないと「遺言の無効」を主張されたり争いごとの発端となりかねません。
▽民法961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」
 遺言は15歳以上ならできます。早めに元気なうちに行っておき、気が変わったら捨てるか書き直すなどとしていくのがよろしいでしょう。
正しい知識を持ってよけいに争いが拗れないよう「遺言書」を作成する必要があります。

入居者以外の自転車が駐輪場に止められていて困っています

家主に対応をお願いしてみましょう。
敷地内に駐輪場があり入居者なら誰でも使用できるという場合は、マンション・アパートの入居者の方たちは、駐輪場の特定の場所に対しての権利を有しているわけではありません。
空いているところに自転車を止めることができるという利用権を持っているにすぎません。駐輪場の所有権は貸主である家主にありますから駐輪場に自転車を止めた第三者に対して止めないように排除請求してもらいましょう。

失火責任法と火災保険

先日の「失火責任法」を理解していれば自宅に火災保険加入の大切さがわかるかと思います。
隣家からのもらい火で自宅が全焼したとしても、隣家は火災保険・地震保険で家を建て直すことができたのに、自分の方は被害者でありながら、火災保険に加入していなかったばかりに補償はないなどといったことが起きかねないからです。

失火責任法とは?

自分の家から出火をして隣家に燃え移ってしまったときに失火責任が問われます。
失火責任法とは、明治32年に制定された1条だけからなる法律です。
正式には「民法709条の規定は失火の場合にはこれを適用せず但し失火者に重大なる過失ありたるときはこの限りにあらず」となっています。
これは「失火の場合失火者に重大な過失がなければ民法709条は適用されない」ということです。
※民法709条「故意又は過失によって他人の権利を侵害したものはこれにより生じた損害を賠償する」と定めています。

失火の場合はこの民法709条が該当しないため、自分の過失で隣家を燃やしたときでも重大な過失がなければ「賠償はしなくてもよい」ということです。逆にお隣の出火で自分の家が燃えてしまっても補償はしてもらえないので自分で直すことになります。
※重大な過失とはちょっと注意すれば気づくようなことに気づかないことです。

  • 天ぷらを揚げている途中で台所を離れたために起きた。

  • 寝たばこが原因で起きた。

  • 暖房器具のすぐ近くに燃えやすいもの(シンナー類・スプレー缶等)が置いてあった。

※参考までに、判例として「石油ストーブに気がつかずガソリンを入れて火災が起こった」場合に重大な過失はないと判断された例もあります。

ベランダの物置を撤去するように言われたのですが・・・

これは安全確保のためベランダは自由に使用できないということです。
賃貸マンションといっても入居者それぞれの専有部分(具体的に言えば個室内)は原則として賃借人が自由に使用できます。それに対してロビーや廊下、階段、エレベータ等は共用部分として入居者全員が共同で利用する空間なので個人的に利用することはできません。
ではベランダはどうなのでしょうか?
各部屋についているので居住者が自由に使用できそうです。が、しかし実は「居住者全員の共同の空間」という性質を持っているのです。たとえばマンションなどの建物は火災などが発生したときに備えて避難するための通路を必ず確保しなければなりません。非常階段とは別に各部屋のベランダや天井や床に避難するための通路つまり「避難口」が確保されているのです。もしベランダに物置等があると緊急時の避難ができなくなり災害に巻き込まれてしまうかもしれません。消防署の定期検査で見つかればもちろん入居者が厳重注意を受けます。
ただし、ベランダの広さ、物置等の大きさにより避難に差し支えない場合もありますので管理会社(組合)とよく相談してみてください。

駐車場付きで契約したのに・・・

■問題
都内で駐車場付きの賃貸マンションの契約をしましたが、入居後に「駐車場は使えません」と管理会社から言われました。この場合契約は解除できるのでしょうか?

■回答および解決策
「賃貸借契約書」に「駐車場付き」と記載されていれば契約上の解約事由になります。都市部での住宅事情の場合、マンションと駐車場を別々に確保するのは大変です。マンション以外の駐車場を確保するためには別途の料金が必要となりますので、契約上の重要部分に誤りがあることになるでしょう。
解除できるとしても、引っ越しをしてしまった後では費用、手間などを考えると即解除とは行かないはずです。つぎのような手順で行ってみるとよいでしょう。
(1)管理会社へ「代替駐車場」を確保するよう催告をしてみます。
(2)代替駐車場を確保するまでの駐車費用や家賃の減額を請求してみます。
(3)管理会社が駐車場を用意できなければ契約解除に移行します。

ペット同居可のマンションのはずが・・・えっ?!そんな!!

■問題
今まで借りていた借家が手狭になりペット(犬)可能物件を探しました。
運良く見つかって家主から「ペット同居可です!」と言われたので早速契約を結び引っ越ししました。ところが数日後家主の奥様から「ペットは不可ですよ」と通告を受けたのです。この場合解約できるのでしょうか?

■回答または解決策
まず「賃貸借契約書」の中に「ペット可」の記載があるのか確認を取ります。
最も確かで解決も早いです。
またペット同居可が客観的に証明できれば良いので、不動産広告にそのような記載されていればそれも証拠となります。
その場に居合わせた人の証言があればそれでもかまいません。
今から「ペット可」の物件を探すのは大変ですので、今の物件でペットも同居できるようにまずは家主に交渉してみます。
残念ながらそれが無理な場合には解約の交渉に入ります。
ペットと同居できることを内容とする契約を結んだのにそれが不可能だったわけですから、相手側の契約違反となります。以前住んでいた借家を解約したり引っ越ししたわけですからそれらの費用については損害賠償として請求することもできます。

ペット禁止のマンションなのに・・・

■問題
現在入居中のマンションはペットが禁止なのですが、隣人が最近犬を飼い始めました。困ったことに生まれたばかりの子供は体毛や糞尿に対し拒絶反応を示しています。どうしたらよいでしょうか?

■回答・解決策
具体的な被害の内容を隣人に詳しく説明をして理解を求めることが一番良いのですが、ただ最近は隣人を良く知らない場合や付き合いがない場合が多く、ちょっとした隣人同士の争いごとが悲惨な事件を引き起こす場合もあってあまり強くいえないというのが実状だと思います。
自分で注意できない場合、注意しても聞いてくれないときには、家主と相談して家主や管理人または管理会社から注意をしてもらいましょう。
※入居者の生活環境を守ることは家主にとって重要な義務ですからルールを借家人に守らせる管理責任があります。
家主や管理人または管理会社の注意にもかかわらず隣人が注意を聞いてくれない場合には契約違反として隣人の契約解除をするよう家主と交渉してみましょう。